半端の先へ
半端の先の感動
例えば、雨でもない雪でもないあられでもないものが降っている時の人の心理はどうであろう。「雨ではなく良かった。」「傘をさすべきかささぬべきか。」「これは何だ。」「ちょうど良い。」「雪にならぬか。」「寂しい。」「懐かしい。」人の考え。想い。行動は十人十色。千差万別である。又、その時々の気持ち。考え。環境。人間関係により違いもあるであろう。その違いに気づく者。気づき行動し変化をもたらす者はどの世界でも重宝されるであろう。
「前髪邪魔じゃない?」目が隠れるぐらい伸びた髪を目にかかるたびに耳にかける弟に声をかけた。「ちょうど良いよ。」いつになく早々と、用意してあったかのように弟は答えた。我ながら弟は面倒臭い性格だと思う。寂しがりやだが一人の時間を望み少しの何かで被害妄想をし意地をはる。この場合の「ちょうど良い。」とは、悲劇のヒロインになりたがってる意地っ張り特有の言葉である。ここでそうかと引いてしまうと後々誰も何も気づいてくれなかったと拗ねてしまうのである。このような幼稚な考えの持ち主は感性を磨かないかぎり周りに悪影響を及ぼすだろう。このような幼稚な考えの持ち主を上手く扱える者。掌で転がせる者。半端の視点を変えてみれる者こそ半端にとっての希望である。
私の好物はプリンだ。他のことをしながらゆっくりと食べるのが好きだ。一口食べて我慢して我慢しきれなくなりまた一口3分の一程食べた時のあの半端なプリンは視覚の芸術である。その芸術的に足を踏みいれた時は毎回感動を忘れない。ギリギリで留めていたところにスプールを入れるとダムが法界するように黒いカラメルがプリンに絡めつく。半端の芸術これによる感動は計り知れない。
伸ばしかけの前髪、未成年、食べかけのプリン、治りかけの身体、味の薄い果実。この世は様々な半端が存在する。弟の意地も然り、食べかけのプリンも然り半端を超えての発見。感動があるのだ。
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