そのイケメン、オタクですから!
下駄箱前で待ち合わせ。
何だか緊張してきた。

これってもしや、噂の制服デートってやつでは。
自分の姿は思い描いていた理想とはだいぶん違うけど、先輩は理想通り、いや理想以上の人だ。

手とか繋いじゃったりして……キ、キスされちゃったり……。
考えちゃダメだー!
恥ずかしすぎる。

一人で赤面して頭を振ってたら「何一人でニヤついてんの?」と笑い声が響いた。

う、先輩に妄想して身もだえしてるとこ見られちゃった……。
「な、何でもないです……」
「ふぅん。あのさ」

先輩が急に真面目な表情になる。
「はい?」
「連れて行きたいトコがあるんだ」
< 109 / 193 >

この作品をシェア

pagetop