そのイケメン、オタクですから!
彼女って誰だ?
何を誤解するの?

ってか留愛とナナって会えるの?
無理に決まってる!

もうわけわかんないけど、模範解答は……。

「良かったですね。ゆうぴょんご主人様!」
こう言っておけば何とかなるなる。

テストが終わったばっかりでよかった。
勉強してなきゃ、こんな難問解けないよ。

あっちこっちで同僚たちが聞き耳を立てているのを無視して、背のジュンジャーの元にドリンクを運ぶ。

ゆうぴょんご主人様はいつも通りフリフリみっくちゅじゅーちゅを飲んでいる。
さっきは格好つけてコーヒー飲んでたくせに。

って……これからゆうぴょんご主人様がコスプレなしで来るのは大問題だ。

今まではだっさい服着てメガネと前髪で顔を隠してくれてたからゆうぴょんご主人様として接してこられたけど、きっといつか間違えて及川先輩って呼んじゃう。

それに先輩の晴れやかな顔を目にして、嘘をついてる自分の事が心底嫌になった。
私……先輩に本当の事、言いたい……。

これ以上嘘が増える前に。
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