そのイケメン、オタクですから!
放課後掃除当番をよっちゃんに頼んで職員室の前で待ち伏せする。
どうしても先輩一人では行かせたくなくて。

こういうのがわがままなのかもしれないけど。

「何やってんだよ」
背中の後ろで冷ややかな声がした。

「先輩、待ってたんです。一緒に行きましょう」
「お前呼ばれてないだろ。それにその恰好はやめろって言っただろ」
「これが私の素ですけど……ダメなんですか?」
「……ダメじゃない、けど。他の男が騒ぐだろ」

ん? 
これって……もしかして焼きもち?

「もぅー。ゆうぴょんご主人様ってば可愛い」
「……その呼び方は止めろ」

場所も忘れて先輩のほっぺをつついたら、ガラリと職員室の扉が開いた。

ヤバい。
二人硬直して視線を向けると……出てきた人は意外な人だった。

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