そのイケメン、オタクですから!
3
週が明けた月曜日、淡いオレンジと白の建物の前に立っている。
別の目的を持って訪れると、以前に来た時とは別の場所みたいに感じた。
外観も雰囲気も安心感を誘うものだと感じるのは、少しひいき目が入っているのかもしれない。
「受付番号32番の方、診察室にお入り下さい」
看護師さんに呼ばれて診察室に向かった。
扉の向こうの人は、医師の顔をしている。
私もきっと患者の顔をしているんだろう。
「七瀬さん、どうされました?」
ちょっとたれ目に癒しのオーラ。話しやすい雰囲気に覚悟を決めた。
やっぱり、ここに来て良かった。
「私……」
淡々と話すと決めていた。
先生は口を挟まずにじっと耳を傾けていた。
一つ一つ頷いてゆっくりと瞬きをして、私を急かさない。
思い出すことは耐えられないくらい怖い。
よっちゃんも健くんも、あの日の事に決して触れはしない。
それは二人の優しさだけど、私はずっと目を逸らしてはいられないんだ。
及川先輩とのこれからの為には。
別の目的を持って訪れると、以前に来た時とは別の場所みたいに感じた。
外観も雰囲気も安心感を誘うものだと感じるのは、少しひいき目が入っているのかもしれない。
「受付番号32番の方、診察室にお入り下さい」
看護師さんに呼ばれて診察室に向かった。
扉の向こうの人は、医師の顔をしている。
私もきっと患者の顔をしているんだろう。
「七瀬さん、どうされました?」
ちょっとたれ目に癒しのオーラ。話しやすい雰囲気に覚悟を決めた。
やっぱり、ここに来て良かった。
「私……」
淡々と話すと決めていた。
先生は口を挟まずにじっと耳を傾けていた。
一つ一つ頷いてゆっくりと瞬きをして、私を急かさない。
思い出すことは耐えられないくらい怖い。
よっちゃんも健くんも、あの日の事に決して触れはしない。
それは二人の優しさだけど、私はずっと目を逸らしてはいられないんだ。
及川先輩とのこれからの為には。