そのイケメン、オタクですから!
そうですね。
挑発に乗っちゃったのは私です。
なんて言えるわけもなく「そうですか」と答える。
私の雰囲気が変だと思ったのかよっちゃんが何か言いたそうな目をしている。
長い付き合いなだけあってさすがに鋭い。
教室でのことは思い出さないようにしよう。
話題を変えようと思って、私は明るい声を出した。
「桜井先輩、及川先輩って、意外と男子にも人気あるんですね。これなら選挙期待できる気がしてきました」
自分と私のカップを取り出して「紅茶でいいよね?」とティーバッグを入れる桜井先輩。
及川先輩にはコーヒーを入れるけど、私はいつも紅茶。
桜井先輩は人の好みなんかをよく知ってて、女の子みたいに気が利く人だ。
その上女の子よりも綺麗な顔。
人気だけで言えば、及川先輩より上かもしれない。
手持ちぶさたになったよっちゃんは、自分のカップを取り出した。
「そうだね。悠斗は、ああ見えて純情……って言ったら怒られるか。硬派だから」
途中から声を潜めて、最後は唇の前で指を立てる。
先輩が、純情?
思わずよっちゃんと私、身を乗り出しちゃう。
パーテーションの向こうにいる及川先輩には聞こえないとわかっているけど、皆で頭を寄せ合った。
「どういう意味ですか?」
よっちゃんが尋ねると、桜井先輩は小声で話し出す。
挑発に乗っちゃったのは私です。
なんて言えるわけもなく「そうですか」と答える。
私の雰囲気が変だと思ったのかよっちゃんが何か言いたそうな目をしている。
長い付き合いなだけあってさすがに鋭い。
教室でのことは思い出さないようにしよう。
話題を変えようと思って、私は明るい声を出した。
「桜井先輩、及川先輩って、意外と男子にも人気あるんですね。これなら選挙期待できる気がしてきました」
自分と私のカップを取り出して「紅茶でいいよね?」とティーバッグを入れる桜井先輩。
及川先輩にはコーヒーを入れるけど、私はいつも紅茶。
桜井先輩は人の好みなんかをよく知ってて、女の子みたいに気が利く人だ。
その上女の子よりも綺麗な顔。
人気だけで言えば、及川先輩より上かもしれない。
手持ちぶさたになったよっちゃんは、自分のカップを取り出した。
「そうだね。悠斗は、ああ見えて純情……って言ったら怒られるか。硬派だから」
途中から声を潜めて、最後は唇の前で指を立てる。
先輩が、純情?
思わずよっちゃんと私、身を乗り出しちゃう。
パーテーションの向こうにいる及川先輩には聞こえないとわかっているけど、皆で頭を寄せ合った。
「どういう意味ですか?」
よっちゃんが尋ねると、桜井先輩は小声で話し出す。