そのイケメン、オタクですから!
「わーったよ。七瀬、俺が教えて上位に入れなかったら、どうなるのかわかってんだろうな」
投げやりな態度で及川先輩が私を睨んだ。

いつかサーカスで見たライオンみたいに、鞭でビシバシやられながら芸をする自分が浮かんできた。
喜々とした表情で鞭をふるっている及川先輩。

……似合いすぎる。

考えない方がよさそう。

及川先輩ってば、オタクの時は控えめなのに学校では存在感がすごい。
そして私には威圧感もすごい。

メガネを割ったナナには「い、いいいです」なんて言ってたくせに、私が割ったら一生嫌味言われそう。

「わかったか?」
冷ややかに繰り返されて、私は「はいっ!」と条件反射で返事した。
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