そのイケメン、オタクですから!
何の話だろう。
まさか私がナナだってばれたんじゃないよね。
先生には言わないから、バイト辞めろって言われるとか。
違うって思いたいけど、先輩がわざわざ呼び出して言うことなんてそれ以外考えられない。
さぁっと血の気が引いていく気がした。
先輩は意地悪そうに見えて実は優しいけれど、生徒会長だ。
バイトの事見逃してくれるとも限らない。
先生に告げるって言われるのかもしれない。
そうしたら私、退学になるの?
せっかく生徒会に残れる成績を取れたのに。
最後にメイドカフェで先輩に会ったのは3日前。
オタク姿の先輩と関わるのも随分慣れたから、不自然なことは何もしてないと思う。
でも考えれば考えるほど、自信はない……。
「留愛、帰ろっか」
先輩の後ろ姿が見えなくなっても固まる私の肩を、よっちゃんが叩いた。
それがきっかけになって、不安でたまらなくて意志とは関係なく涙が零れる。
「私……退学なのかな……」
「ちょ、留愛、どうしたの?」
「ごめっ……なんでも……」
「ごめんじゃなくて、ちょっとおいで」
よっちゃんに引っ張られて、階段の踊り場に押し込まれる。
終業式も終わったから、下校する生徒ばかりで階段を上がってくる人はいなかった。
「何があったの?」
強張った顔でよっちゃんが口を開いた。
「私……先輩がっ、んっ、話がっ……ひっ……」
溢れだす不安が止められなくて、しゃくりあげながらで上手く喋れない。
それでもよっちゃんは待っててくれた。
コートは教室に置いて来たから、制服にカーディガンっていう格好で冷えた階段。
それなのによしよしって頭を撫でながら……。
まさか私がナナだってばれたんじゃないよね。
先生には言わないから、バイト辞めろって言われるとか。
違うって思いたいけど、先輩がわざわざ呼び出して言うことなんてそれ以外考えられない。
さぁっと血の気が引いていく気がした。
先輩は意地悪そうに見えて実は優しいけれど、生徒会長だ。
バイトの事見逃してくれるとも限らない。
先生に告げるって言われるのかもしれない。
そうしたら私、退学になるの?
せっかく生徒会に残れる成績を取れたのに。
最後にメイドカフェで先輩に会ったのは3日前。
オタク姿の先輩と関わるのも随分慣れたから、不自然なことは何もしてないと思う。
でも考えれば考えるほど、自信はない……。
「留愛、帰ろっか」
先輩の後ろ姿が見えなくなっても固まる私の肩を、よっちゃんが叩いた。
それがきっかけになって、不安でたまらなくて意志とは関係なく涙が零れる。
「私……退学なのかな……」
「ちょ、留愛、どうしたの?」
「ごめっ……なんでも……」
「ごめんじゃなくて、ちょっとおいで」
よっちゃんに引っ張られて、階段の踊り場に押し込まれる。
終業式も終わったから、下校する生徒ばかりで階段を上がってくる人はいなかった。
「何があったの?」
強張った顔でよっちゃんが口を開いた。
「私……先輩がっ、んっ、話がっ……ひっ……」
溢れだす不安が止められなくて、しゃくりあげながらで上手く喋れない。
それでもよっちゃんは待っててくれた。
コートは教室に置いて来たから、制服にカーディガンっていう格好で冷えた階段。
それなのによしよしって頭を撫でながら……。