そのイケメン、オタクですから!
成績がよかった自分へのご褒美、と二人ともストロベリーチョコクレープを注文した。生クリームたっぷりでいかにも高カロリーって感じだけど、たまにはいいよね。

健くんちのヘルシー定食は500キロカロリー。
多分このクレープもそれぐらいあるけど、気にしないんだから。

よっちゃんの順位は9位だった。
10位以内と以外は違う気がするって、喜んでいる。

「そういえばよっちゃん、桜井先輩とはどうなの?」
さりげなく尋ねたら、彼女は心底不思議そうな顔をした。
「何が?」

「いや、仲いいなぁと思ってたんだけど……好きじゃないの?」
「先輩は格好いいけど、全然。大体私が好きなのはけ……あっ」

よっちゃんの頬が真っ赤に染まって、ごまかそうとして口に含んだココアを盛大にむせた。

こんなにも女子の反応をする彼女なんて初めて見た。

聞こえなかったふりをしてあげたいけど……やっぱり無理。
自分でも不自然なぐらいニヤニヤしちゃう。

「ふぅん。健君なんだ」
「ちがっ」

トマトみたいな顔して違うはないでしょ。
よっちゃんってば、可愛い。
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