そのイケメン、オタクですから!
「ご主人様、携帯電話のお忘れ物ですかぁ?」と尋ねながら階段を降りようとしたら、がくんと身体が揺れた。
急いで階段を降りようとして踏み外したんだ、と気づいた時には宙に浮いてて、慌てて掴むものを探す。
やだ……何もない。
もうだめ、落ちちゃう……。
ぎゅうっと目を閉じたけれど覚悟していた衝撃は襲って来なくて、受け止められた感触があった。
私は恐る恐る目を開けた。目の前にあったのは……肩?
赤いチェックのシャツの背中越しに、階段に落ちている割れたメガネが視界に入った。
私……抱き止められたんだ……。
「きゃあ、すみません!」
恥ずかしくてセノジュンレッドから身体を離して頭を下げる。
助けてもらったのにセノジュンレッドの胸が意外と筋肉質で、腕が力強かったことにドキドキして顔が上げられない。
まるで少女漫画みたいなシュチュエーション。
こうして二人は恋に落ちて……ないない。
相手はオタクだったんだ。
「あ、だっ、大丈夫、でしたか?」
心配そうにどもる声にハッとする。
そ、そうだ。
助けてもらったんだからお礼言わなきゃ。
それにあのメガネ、きっとこのお客様のものだ。
「ありがとうございます。本当にすみませんでした。メガネも弁償しますから」
少し呼吸を落ち着けて、もう癖になっている上目使いで顔を上げた。
……。
…………?
急いで階段を降りようとして踏み外したんだ、と気づいた時には宙に浮いてて、慌てて掴むものを探す。
やだ……何もない。
もうだめ、落ちちゃう……。
ぎゅうっと目を閉じたけれど覚悟していた衝撃は襲って来なくて、受け止められた感触があった。
私は恐る恐る目を開けた。目の前にあったのは……肩?
赤いチェックのシャツの背中越しに、階段に落ちている割れたメガネが視界に入った。
私……抱き止められたんだ……。
「きゃあ、すみません!」
恥ずかしくてセノジュンレッドから身体を離して頭を下げる。
助けてもらったのにセノジュンレッドの胸が意外と筋肉質で、腕が力強かったことにドキドキして顔が上げられない。
まるで少女漫画みたいなシュチュエーション。
こうして二人は恋に落ちて……ないない。
相手はオタクだったんだ。
「あ、だっ、大丈夫、でしたか?」
心配そうにどもる声にハッとする。
そ、そうだ。
助けてもらったんだからお礼言わなきゃ。
それにあのメガネ、きっとこのお客様のものだ。
「ありがとうございます。本当にすみませんでした。メガネも弁償しますから」
少し呼吸を落ち着けて、もう癖になっている上目使いで顔を上げた。
……。
…………?