そのイケメン、オタクですから!
何か探してる。
何だろ?

「七瀬、コーヒー!」
「はっ、はい! ただいまっ」

ブレイクタイムはないみたいで、コーヒーを啜りながらキーボードを叩く先輩。

「何してるんですか?」
よかった。普通の声が出た。

「あぁ、遅刻者にはまだ説明してなかったな」
嫌みっぽいんだから。
でも先輩もいつも通りだ。

きっと私も、いつも通りでいいって事だよね。

「3学期中には公約を1つは実現させるからな。
まずは一番簡単なとこから。何だと思う?」

個人的な希望はアルバイトの自由化だけど、それは一番難しそう。

制服と個性の共存も、曖昧過ぎて難しいかな。
となると
「部活ですかね?」

「ばーか」
ええ?
昨日は頬染めてあんな事言ったくせにー。
って、思い出しちゃダメだ。

自分の顔が熱くなっちゃう。
自爆してる場合じゃない。
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