そのイケメン、オタクですから!
ママの結婚騒ぎは脅威だ。
中学1年生の時を思い出してしまう。

……やめよう。
思い出しちゃダメだ。

「おめでとう、ママ」
「ふふ、留愛、ありがとう」
ママにギュッと抱きしめられる。

小さなとき、ママの背中を見ては思った。

留愛がいるよ。
どうして留愛じゃだめなの?

ママはいつも男の人を想って泣いてた。
一人じゃ決して生きていけない人。

私じゃきっとママを幸せにしてはあげられない。
だから祈る。いつかママが、最愛の人と巡り合えますように。
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