そのイケメン、オタクですから!
……留愛なんだ。

何も聞いてこない先輩にずっと甘えてきた。
今の関係が心地よくて、私は先輩と向き合おうとしなかった。

2ヶ月も待ってくれているのに。

いつまでも逃げてるわけにはいかない。
どんな返事であれ、先輩にきちんと話さなくちゃ。

「応援いつもありがとうございまぁす!
ゆうぴょんご主人様。大好きなお嬢様ときちんと話ができるように、ナナが魔法をかけちゃいます。明日、きっとお話できますよ!」

魔法なんて信じてない。
ちょっと恥ずかしいけど、この魔法は私の決意。

明日、向き合う。及川先輩と。

「ではではゆうぴょん御主人様、ご一緒に。
もえもえプリプリドキドキキュート!明日いいことありますように!」

「…………。」
「もうっ、ゆうぴょん御主人様! 恥ずかしがってないで一緒に言ってくださぁい!」
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