うそつきなあなたへ
歩いても歩いても村は見えてきません。
寄り道をせずに、ちゃんといつもと同じ道を通ってきたはずなのに、自分が今どこにいるかわかりません。
彼女は、お使いの途中で迷子になってしまったのです。
一旦、来た道を戻ることも考えましたが、もう辺りは暗くなり始めています。
もしここで、完全に真っ暗になってしまうと身動きが取れなくなってしまいます。
自然と涙が溢れてきて、泣くものかと思っていても、やはり夜の森に一人で不安です。
どうしたらいいんだろうと、立ち尽くしていると、遠くからゆらゆらと明かりがついていることに気がつきました。