うそつきなあなたへ

「君には、本当にたくさん助けてもらった。君がこの世界に来てくれなかったら、僕はずっと殻の中に閉じこもったままだった」

「思うんだけど、私は迷い込んだんじゃなくて、知らないうちにこの世界に魅了されて、他の人と同じように自分で意思でここにきた気がするの。あなたがこの世界を作らなければ、私はここへは来なかっただろうし、この世界を作ってくれたからみんなに会えた。私のほうこそ、いっぱいありがとうって言いたい」

その言葉に、呪術師は照れながら笑いました。

「今はもう少しだけ休むつもりだけれど、また、僕の魔法が前ぐらいに使えるようになったら、扉を再び開くつもりだ。そのときに、また遊びにきてくれる?」

「もちろん、私この世界が大好きだもの」

「けど、扉を開いても前くらいに人が来るかな」

「くるわ。みんなきっと忘れてなんかいないし、また楽しんでくれる」

少女は、胸を張っていいました。

< 110 / 115 >

この作品をシェア

pagetop