うそつきなあなたへ
「うん、会えるよ。向こうで待っていてほしい。いつか必ず扉は開ける。形は変わってしまうかもしれない。けれど、いい子で待っていて」
呪術師は、少女の瞼に手を置きました。
彼の手は、とてもひんやりとしてました。
「それまでは、ゆっくりおやすみ」
呪術師が、手をどけるともうそこには少女の姿は見えなくなって代わりに、花束が置いてありました。呪術師が拾うとそれは紫のアネモネとネリネの花束でした。
ニッコリ微笑んだ呪術師は、星空を見上げました。
「君がいて成り立つ世界。夢物語はこれからも続く。その先で、また会えますように」