うそつきなあなたへ
その明かりは、だんだんとこちらに近づいてきて、手持ちランプだと分かりました。
それだけで涙がぽろぽろ出てきて、少しばかりの強気もどこかへいってしまいました。
お家に帰りたい。お母さんにあいたい。
溢れだした涙は、止まることなく流れていきます。
目の前がぼやぼやとして、近づいてくる人がどんな人なのかわかりません。
「お嬢ちゃん、どうした?」
その言葉で、ぷつんと切れたかのように少女はわんわん泣き出しました。
おかあさんおかあさんと何度も叫びました。
そんなことをしても、何も変わらないことをわかっていてもどこまでも泣きました。