うそつきなあなたへ

「ごめんなさい、見たことないものばっかりだったから、つい」

「何、怒ってないさ。ただ、変な輩に絡まれたらあとあとめんどうからね。こっちだよ、坂が続くからゆっくり行こう」


その道は、人が多かったところと比べて、少し減りましたがやはり人だらけです。
吟遊詩人の言った通り、少し急な坂道になっていてほんの少しだけ疲れてしまったのですが、それよりも目に入ってくるものすべてが珍しくて少女の心を興奮させました。

しばらくしてから、吟遊詩人が休もうかと言って、水筒を取り出してくれました。
気づかないうちに、のどはカラカラに乾いていました。
それを、受け取り、飲もうとしたときです。

頭に何か当たりました。転がったものを見ると、どうやら小石のようです。
どうして、小石が上から降ってくるんだろうと考えていると、また2、3個同じ大きさのものがぶつかってきました。

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