うそつきなあなたへ
「私、あなたのように美しくなんかないわ」
「そんなことはないさ、君は無垢で可愛い。僕のように穢れていない」
そういう顔は、哀しげに包まれて、少女はそのことについてそれ以上言うのをやめました。
「でも、びっくりしたわ。あなたが男の人だなんて」
「街の人は、ぼくのことよく知っているからね。もう驚く人もいないけれど、初めはみんな君のように驚いていたよ。元々、踊り子って女の人の職業だから」
「私も、踊りを見たときからずっと女の人だと思っていた」
「踊りを見てくれたんだね、嬉しいなあ! 愛しい君が見てくれるなんて今日は最高の日だ」
踊り子はニコニコと笑うのですが、やっぱりどこか変です。
少女は、なんだか急に踊り子のことを抱きしめたくなって、席から立ち、勢いよく踊り子をだきつきました。