うそつきなあなたへ

「踊り子さんは、いっぱいいっぱい頑張ったんだね」

「そうかな、まだまだ踊り続けないと、会えそうにないや」

「きっとその人、優しい人だからあなたのことずっと待ってくれていると思うよ」

「だといいけど」

少女から離れた踊り子の目は、赤く腫れていましたが、顔はさっきより晴れやかです。


「愛しい君に、たくさん甘えてしまった。代わりに、この世界を出る手がかりを教えたいんだけど、生憎ぼくも知らないんだ。けれど、ぼくよりもっとこの街、いやこの国全体をよく知っている人がいるんだ」

橙のマントを、衣装タンスから取り出し、それを羽織りながら踊り子は言いました。

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