うそつきなあなたへ
「おい、見てみろよ。この娘、見たことのない眼の色をしているぞ」
「本当だな、見慣れない顔立ちだ」
若い男たちは少女を見ながら、なにやら話始めました。
少女は、怖くなって後ろに下がりました。
すると、また人に当たってしまいました。
「君たち、何をしているのかね」
少女は、後ろを振り向きましたが、背の高い人でしょうか。その顔は見えません。
「その娘が、俺たちにぶつかってきたんだ」
「本当にそれだけか、なにか他に企んでいるように見えたが」
「おいおい、冗談はよしてくれよ」
「じゃあ、この娘は俺が連れていく。構わないな?」
少女の小さな肩をぐっと掴み、有無をも言わさぬ空気でした。