うそつきなあなたへ
俺は悔やんだ。悔やんでも悔やみきれなかった。
もし、俺が命令を断っていればよかったのか。
それともいつものようにこの街を見守っていればなくさずにいれたのか。
俺は今でも、大切なものを守っていたのか。
炎の中で、俺の帰りを待って、苦しみながら果てていったんだろうのか。
出来ることなら、俺のことを恨んでいてほしかった。
けれど、夢の中でずっと俺に微笑みかけているんだ。気がおかしくなりそうだった」
騎士は苦しそうに笑った。
「毎晩のように、俺に会いに来るんだ。何も話さなずに、俺の傍に座って笑っているんだ。呪いかと思った。けれど、そうじゃないかった。
あるとき、こう俺に言ったんだ。“あなたと出会えて幸せでした。”っと。
朝起きたとき、大粒の涙を零した。
その時から、俺はこの国を守る。この街から目を離さない。そう誓ったんだ」