うそつきなあなたへ

涼しい部屋でのんびりしていたとき、またおとぎ話がひょっこり現れた。

あ、また。すごい気になる……。


思い出せなくてモヤモヤする。あとちょっとなんだけど。

ふとそのときなぜか、お母さんにきけば何か知っているんじゃないかなという気持ちになった。お母さんは、いつだって私の救世主だ。


私は急いでお母さんを探した。
お母さんは台所でお昼の片づけをしていた。


「お母さん ききたいことがあるんだけど……」

「えー なになに? 答えられるかしら」

「いやすごくくだらないことで、知らないなら知らないでいいんだけど。 ある女の子がね、迷子になるところから始まるおとぎ話知らない?」

< 6 / 115 >

この作品をシェア

pagetop