うそつきなあなたへ
「私、何か気に触ることを言ったかしら」
「いいや、姫は悪くないんだ。ただ昔のことを思い出してね」
そういう王子は、まだ顔が引きつっていました。言いたくないのだろうと思った少女は、絵の方に向きました。かなり長いこと絵を見つめていたかもしれないし、もしかしたらそれほど時間は経っていなかったかもしれません。とりあえず、今日はもう寝ようと決めた少女は、王子に声をかけようとしました。しかし、その前に王子がさっきの質問に答えてくれました。
「幼い方は、もうこの世にいない。もう一人は、この城の地下で眠っている」
あまりに衝撃的な答えに、少女は言葉を失いました。王子にどう声をかければいいのだろうと考えていると、王子は何も言わせないかのような勢いで、話し出しました。