うそつきなあなたへ
んー と少し悩んでから、あれかもと母さんは話し出した。
「昔 寝る前によく読んでっていった本がそんな話だったかも」
「え、なにそれ覚えてない。知らない」
覚えてないのも無理ないわよ。あなたがとっても幼いころだったもの。
毎晩飽きもせずに、これを読んでって言っていったのよ。
他にもたくさん本はあるのに目もくれず、それがないと寝なかったの。
ママ、今日も読んでって。
「その本、あなたの部屋の本棚に残しているわよ」