うそつきなあなたへ
少女が、次に目を覚ますと洞窟のような場所でした。空は、すっかりオレンジ色に変わっています。随分と寝ていたようです。少女には、マントがかけられていて、傍にはたき火が燃えていました。
「起きたか?」
そのたき火の向こう側にいた男が、少女に声をかけました。
どうやらマントの持ち主は、彼のようです。
「ええ、よく眠っていたようだわ」
「よかった、目が覚めて。これを飲みな」
差し出された器には、スープが入っていました。少女は、それを受け取るとゆっくりと飲みました。スープの温かさが、体に染みわたっていくのが分かりました。
「あんたが、森の真ん中で倒れていたんだ。びっくりしたぜ」
「助けてくれてありがとう。実は、朝から何も食べずに歩いていたからとてもお腹が空いていたの。これ、美味しい」
「そうか、いっぱい食べろ。そんな体では食べないとへばっちまうぞ」