うそつきなあなたへ
少女は頷き、食べ始めました。口にいれていくと、満たされていくのを感じます。食べ終えてから、男は少女に言いました。
「ところで、朝から何も食べていないって、あんたはどこから来たんだ」
「お城から森に沿って歩いてきたの」
「へえ、王族の者か」
「ううん、違う。私は、この世界の人じゃないの」
少女は、今まで起こったことを話しました。
男は、それをじっと聞いていました。
少女が話し終えると、男は口を開きました。
「たまに、違う世界の者が来るとは噂で聞いてたが、おとぎ話ではなかったんだな。確かに言われてみれば、あんたはここの世界の人間とは違う目の色をしている」
「そうかな、あまり違わない気がするけど」
「いいや、あんたの目は、宝石みたいでキラキラしている」
男は、笑いながらビンの中に入ったお酒を飲みました。
お父さんや村の人たちは、いつも少女が寝てしまってからお酒を飲んでいるので、飲んでいる姿を見るだけで、とても悪いことをしてしまった気持ちになりました。