うそつきなあなたへ
2人はお互いに強く手を握りしめました。
「早く行け。さすがにやつらがくるぞ」
「うん、先に行っているからおじさんも早くきてね」
「だから、俺はおじさんじゃない」
少女は、ゆっくり手を離して後ろを振り向きました。
目の前には、星が出迎えてくれています。
「それじゃあ、また」
「ああ、あとでな」
少女は、また走り出しました。
言われた大きな星を目指して。その真下にいる人に会うために。
「さいごにあんたに会えて、俺は幸せだったよ」