ブスも歩けばイケメンに当たる⁉
…一緒にアパートを出たはいいけれど。

「…榊さん」
「…なんだよ」

「…一緒に出社するのはマズイですよね?」
「…なんで?」

でもない。この人、自分の立場をぜんっぜん、分かってないよね。

「…知らないんですか?榊さんが、社内一のイケメンで、モテモテだってこと」

「…」

「…えっ?!まさか、知らないとか」
「…知ってるよ、十二分に」

…ニコッとしやがった。…嫌みなやつ!

「…それなら、私なんかと一緒に出社したら」

パチン!

また、おでこを叩かれた。

「…榊さん!人が真剣に「…また、言った」

食いぎみに言われる。

「…何をですか?!」
「…私なんかって」

「…」
「…お仕置き~」

「…榊さん!わっちょっ!」

眼鏡を取られた。なんも、見えねぇ‼

「…見えないんで、返してください!」
「…やだね。ほら、こっち」

…わっ…手、手、手、手繋いでる。

…ボンヤリ見えてきたのは、車で。

「…朝くらい、楽しないとな」
「…これ、榊さんの車ですか?」

「…当たり前。毎朝これで出社する。車は、パーキングに停めるから、社員に見つからない。その足で通勤はキツいだろ?帰りは、ほとんど無理かもしれないけどな」


…榊さん、神ってます。
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