ブスも歩けばイケメンに当たる⁉
…午後8時。

榊さんが帰宅した。

部屋の有り様に、とても驚いた顔をしている。

「…飯ができてる」
「…これくらいは」

「…あ、風呂も入ってる」
「…ボタン押すだけですし」

「…部屋がピカピカ」
「…やっと掃除できました」

へへっと笑って見せると、榊さんに頭を撫でられた。

…くすぐったい。

一緒にご飯を食べて、今日は私が片付けして、その間に榊さんがお風呂に入って。

その後にお風呂に入った私は、榊さんの前に缶ビールを置いた。

「…どうした?」
「…長いこと、お疲れさまでした」

「…桜子?」
「…もう、一人でも大丈夫ですよ。明後日の診察で最後なんで。色々お世話になりました。1ヶ月もお姫様気分味わえて、ラッキーでした」

そう言って、おどけて見せる。

寂しいなんて、帰らないでなんて、言えないし。

「…さ、榊さん?!」

…榊さんが私の膝を枕に寝転んだ。

「…礼言われることは、なんもしてない。俺がやりたいからやっただけ」

「…それでも、私は、大助かりでした」

…頭、撫でちゃえ。

「…まだ、ここにいたい」
「…え?」

驚きの眼差しで榊さんを見ると、




寝ちゃったよ…



今の、寝言?

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