ブスも歩けばイケメンに当たる⁉
…イケメンに溺愛されるって、なんだか恐怖。

…何故かって?

だって今榊さんは、意地悪な笑みを浮かべているから。

「…お手柔らかに」
「…無理な相談だ」

それからまた、キスの嵐が私を襲った。

…幸せだけど、それが怖い。


~榊side~

沢山、沢山キスをして、桜子を堪能した俺は、桜子を抱き締めていた。

桜子は照れくさそうに、俺の胸に顔を埋めて見せようとはしない。

それがたまらなく愛しいと思う。

今まで、自分の回りにいた女は、好きになれなかった。

彼女を作ってみても、どれも長続きなんてしたことなかった。

だから、別れてもなんとも思わなかった。

でも今は違う。

素の自分を見せても、怖じけずくことなく、何も変わらない桜子。

言いたいことは言う、よく笑うし、よく怒る。

自信あるのかと思えば、全然なくて、卑屈だ。

俺が近寄れば逃げるし、少し離れると、傍によってくる。

傍にいたい、追いかけたい、捕まえておきたいと思わずにいられなかった。

これが好きってことなのかと、初めて知ったような気がする。

「…桜子」
「…何ですか?」

「…ずっと傍にいてくれよ」
「…保証できません」

桜子の言葉に、驚き桜子の顔を自分に向けさせた。

「…なんで?」
「…榊さんが…すきだから」

「…バカ、好きなら傍にいるんだよ」

この、どうしようもなく卑屈な彼女が愛しくてたまらない俺は、恋愛中毒かもしれない。
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