ブスも歩けばイケメンに当たる⁉
…それからの私たちは、クッキーと紅茶を堪能して、その後はまったり。

仕事をしている榊さんを、何度か見かけたことがあるけど、仕事とプライベートでは、全く別人のようだ。

仕事の時はパーフェクト人間。

プライベートの時は、意地悪なドSプリンス。

その両方を独り占めできるのは、嬉しいことなのかな。

「…ひゃっ!!包丁持ってるのに突然何するんですか?」

夕方、夕飯の支度をしていると、突然後ろから抱き締められて、思わず包丁を落としそうになった。

「…抱き締めたいから抱き締めた」
「…心臓に悪いので止めてくださいよ」

今現在、耳に響くほど、心臓がバクバク言ってる。

「…桜子は小さいから、腕にすっぽりはまって、抱き心地がいいんだよ」
「…榊さんが無駄にでかいんです!」

嬉しいのに、憎まれ口しか叩かない私って、最悪だ。

憎まれ口を言えば、榊さんは、私をぎゅーぎゅーきつく抱き締める。

「…苦しいですよ!邪魔です!」
「…つれないな」

「…」
「…ま、そんなとこが好きなんだけど」

…真っ赤になるな私!

「…フッ、可愛いなぁ」

チュッ!?

み、耳にキスした!もう、やめて!

私は、思わず包丁を榊さんに向けた。

「…危ないので座っててください!」
「…プッ」

私の反応が一々面白いらしく、榊さんはクスクス笑いながらソファーに戻った。

私はため息をつく。

私の心臓壊れるかも、いや、確実に破裂する、いつか。
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