ブスも歩けばイケメンに当たる⁉
「…きよちゃん、ゴメン」

話せないよ。私は春人を守りたい。

「…俺、桜子の事が好きだよ」

突然の告白にあからさまに驚く。いつから？大学からの友達だよ？私可愛くないし。

どこが好きなの？

きよちゃんはカッコいいし、優しいし。

第一、そんな態度、今まで一度もなかったのに。

「…きよちゃん、あの急に何を」

オロオロする私の肩をぎゅっと掴んだきよちゃんに、どうしていいかわからない。

「…桜子の事ならなんだって、「…待て」

きよちゃんの言葉が言い終わらないうちに誰かの声が聞こえたかと思ったら、私の体はその声の主に引っ張られ、スッポリ腕の中におさまっていた。

「…榊さん」

きよちゃんの言葉に、驚き上を見上げると、私を抱き締めてるのは春人で。更にオロオロする。

「…ちょっ！何をして」
「…何をしてるんだって、聞きたいのはこっちなんだけどな？」

…なぜ、私が怒られているのか？怒りたいのはこっちなのに。

「…榊さん何やってんですか？桜子返してください。初対面なのに、そんなこと許されませんよ」

『初対面』というフレーズに、いち早く反応したのは勿論、春人で。

春人は私を見下ろしている。

その顔は怒ってて、私は硬直してる。

そんな二人を見たきよちゃんは、首をかしげた。

「…初対面じゃないんですか？」
「…そんなわけないだろ？桜子は俺の彼女だ」

目を見開く私ときよちゃん。その二人の心境は、全く別物で。私は春人の事が心配で。きよちゃんは、あり得ないと言った様子。
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