ブスも歩けばイケメンに当たる⁉
~榊side~

相原がいなくなって、胸を撫で下ろすと直ぐに、桜子の量頬をつねった。

「…イッ?!いひゃいれふよ!」
「…お仕置きだ」

「…ら、らんれれふ?」
「…あんなやつに告白されたから」

「…ひ、ひりまへんお!」
「…喋り方が変だぞ」

「…られのへいれふか?」

涙目で訴えられ、ようやくそれを離した。

「…なんでそう、つまむんですか!」

…。

ムチの次は、アメ。

ぎゅっ。と、桜子を抱き締めた。

「…な、なんなんですか?つねったり、抱き締めたり」

ドギマギする桜子をぎゅーぎゅー抱き締める。

告白されたのは、桜子が悪い訳じゃなく、桜子の魅力に惹かれた相原が勝手にしたことだ。

そんな事はわかっているが、こうせずにはいられない。

桜子が、好きで、好きで好きで…好きすぎて。

いつも、いつか、桜子が誰かにとられるんじゃないかと、気が気じゃない。

桜子は、自分はブスだというが、俺には十分桜子は可愛いし、魅力的だ。

相原だって、こんな桜子だからこそ、好きになったんだと思う。

「…春人、ヤキモチ妬きすぎです」
「…桜子だって、妬いてたじゃないか?」

「…そ、そうですけど」
「…俺のこと好きか?」

「…す…好きですよ」

まっかっかな顔でそう言った桜子は照れくさそうに笑う。

笑うとえくぼが出来て愛らしい…

「…俺も好きだよ」
「…あの」

…キスをしようとしたら、止められて、ムッとする。


「…人に見られて、恥ずかしくて死にそうです」

…人気が少ないとはいえ、時間的にまばらでも人はいる。

「…ぁ、仕事…」

俺としたことが、忘れていた。

「…これ」

俺は、桜子の手に、自宅の鍵を手渡す。

「…あの、これ」
「…帰るまで待ってろよ」

そう言った俺に、桜子はまた照れくさそうに笑った。

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