ブスも歩けばイケメンに当たる⁉
…来てしまった。

しかし、大きなマンションだな。

6階の一番奥。南向きで、昼間は日当たりがいいんだろうな。

「…ぅわぁ。私、場違い」

思わず声に出してしまった。

でもだって、本当のことだから。

「…落ち着かない」

グー…。

落ち着かなくても、お腹の虫は鳴く。

今日は、きよちゃんと夕飯を食べようと思ってたし。

ソファーに座っていたが、立ち上がり、キッチンに向かうと。

「…勝手に使っても大丈夫かな」

と、しばし考える。

「…春人もお腹すかせて帰って来るだろうし。借りよう」

と、自分を納得させ、冷蔵庫を開けた。

そのなかは、食材が沢山ある。キッチンを見渡せば、ちゃんと調理道具も、調味料も揃っている。

私に食べさせてくれた料理は、どれも美味しかった。

ちゃんと、自炊してるんだな。と、感心してしまう。

キッチンのはしにかけられていた春人のであろう黒のエプロンを借りると、食材をだし、料理を始めた。

真剣に調理していたせいか、冷静な気持ちになってきた。

「…よし、後は、少し煮込めば出来上がり」

…今夜は煮込みハンバーグ。

ピンポーン…インターホンが鳴り、見てみると、春人で。

私に鍵を貸していたので、中には入れないわけで。

私は慌てて鍵を開け、ドアを開けた。

「…お帰りなさい。きゃっ」


…突然抱き締められて、硬直した。
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