ブスも歩けばイケメンに当たる⁉
…うーん、体が重い。…大好きな人に奪われたバージンの痛み。

幸せではあるけれど、結構辛い…

「…!!」

やっと、重い瞼を持ち上げれば、目の前に綺麗な春人の顔のドアップが。

「…おはよ」
「…ぉ、おはよう、ございます…いつから起きて?」

恐る恐る問いかければ、

「…30分くらい前から?」
「…なっ。…ね、寝顔みましたよね?」

私の問いに、ニッコリ微笑んだ春人は。

「…勿論、昨晩の顔も全部」
「…ぃいや!止めてください!恥ずかしい‼」

ベッドに潜り込んで隠れようとしたのに、春人はそれを許さず、私を羽交い締めにする。

「…春人」
「…恥ずかしがる顔も可愛いから、隠れるのは無し」

もぅぅぅぅ!!!

抵抗しようとしたら、キスされて、撃沈…

「…大人しくなった」
「…意地悪ばっかりしないでください」

怒って見せても、フッ笑われ、頭を撫でられてしまうと、怒れなくなる。惚れた弱味か…グスン。

…イチャイチャタイムが終わると、やっと身支度を開始。

車のお陰で遅刻はしなかったが。

こんな毎日は、心臓に悪そうだと思わずにいられない。

オフィスに着くなり、早速仕事を始めようとしたら、上司に呼ばれた。

「…伊集院さん、突然で悪いんだけど、ここ半年の経理の書類整理して、提出してくれる?突然監査が入るって言い出してね」

「…一人でですか?」

結構な量ですけど。

「…伊集院さんの仕事は他の人に頼んだらいいから、頼むよ。頼れるのは、仕事の早い伊集院さんだけなんだ」

そんなこと言われると断れず。

「…わかりました。いつまでに?」
「…うん、今日中に」

な、あの量を今日中に一人で?…鬼だ。この人。

私は上司に頭を下げると、経理資料の保管室に向かった。

嫌いなのよね、ここ。暗いし、窓ないし。
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