ラクガキキャンディ
「名前は分かるか?」
長いハチミツ色の髪をサラリと床に流すカノジョは首を横に振った
「じゃあミツはどうだ?ハチミツ色から取ってミツ」
喜んだようにニコニコしたカノジョは脚をバタバタとして笑う。
「ミツっ!ミツ!」
バタバタと動くカノジョを止めはだける脚の上にカーディガンをかけ、傷の手当をする。
「やっ!やあっ!」と傷口に消毒液が染みて泣きながらジタバタするカノジョが弟のようで少し笑が零れる。
「ミツ、少し我慢できるか?」
頷くミツをいい子だと撫で傷の手当を続ける
脚には沢山の痣が刻まれていた、痛ましい光景に死んだ妹の亡骸が見えこっちが泣きそうになってしまった。
ミツはそんな俺の頬をきゅっと摘むとわらうわらうと声を上げた。
「ごめんな、ありがとう。」
取り敢えず俺の服を貸し取り敢えず言葉を教える、俺の本職だし。
気づけば3時間も立ちミツの飲み込みも良く色々な言葉を覚えた。
きっと小学生位に育ったと思う。
「そうすけー、お腹減った!」
「そうだな、飯にするか。」
「うん!!」
ミツの嬉しそうな声に俺も幸せを感じた
外は真っ暗。