ラズベリーな恋模様(A・T)
連也くんはいつもそう。
簡単にあたしの心をときめかせて。
簡単に、振り回す。
それが、なんか負けているみたいで、ちょっとムカつく。
だから、頬をぷくーっと膨らませた。
すると、
「架樹ちゃん?そんな顔されるとー……」
連也くんはあたしの耳元に唇を寄せ、
「もーっといじめたくなる」
って、言った。
ハイ、あたしの思考停止。
「……れ、連也くんのバカ!」
完全に負け組なのです。あたしは。
連也くんに勝てることなんて、絶対ないのです。
でも、それでもいいかもしれない。