ラズベリーな恋模様(A・T)
勝つとか負けるとか。
結局は、最上級の愛を貰えているのならば、それで幸せなのだから。
連也くんに愛されているから、どれだけ負けていたって構わない。
「……ふふっ」
「なんだよ。何笑ってんの」
「んーん、何でもない」
へへっと笑うと、ボッと火が付いたように顔を真っ赤にさせた連也くんが、目を泳がせる。
「やべぇ、めっちゃ可愛い」
「ん?何て??」
何て言ったか分からなくて、聞き返すが、いや、と目も向けてくれなかった。
「……なあ、架樹」
「んー?」
急に名前を呼ばれたかと思えば、再び連也くんの顔が近付いてきて、
「ちゅっ……」
軽く、そして優しく、キスされた。
「……えっ」