ラズベリーな恋模様(A・T)
あたしの首に、何やら冷たいものが当たった。
「やば、付け方分かんねえ・・・」
瞬はそう呟きながら、あたしの髪を掻き分け、あたしの首に何かを付ける。
「・・・よしっ」
「な、何これ・・・?」
あたしは首元に手を置き、掴んだ何かをそっと引く。
「えっ、これ・・・・」
驚いて瞬を見上げると、瞬は優しく微笑んでいた。
「バイト、お疲れ様。ワンピースと蛍に、よく似合うと思ったんだ」
「瞬・・・・」
あたしは自分の胸に手を置いて、服をぎゅっと握った。
鼻の奥がツンと痛んで、思わず泣きそうになる。
そんなあたしに、瞬はへへっと照れ笑いを見せると、あたしに近付き、右腕であたしを自分の胸に引き寄せた。
ぎゅっと抱き締められ、私はほんの少し、涙を流した。