初恋
距離
距離はとても大切なものだ、近くても遠くても

黒菜は六年生になる。
この一年は意味のある一年にしたい。
(ねえ知ってる?結城入院したんだって)
それを聞いて私は考えた。何かあったら、近くても遠くても彼はこの場所にいてほしい。
私にとって彼は大切な存在なんだ。だから…
なぜか、目から涙がこぼれた。
(具合悪いなら…保健室にいきなさい)
そう言われ、私は保健室に向かった。先生いないんだ。
ベットに座り、考えていた。
いなくなってしまったら…ふと見ると壁に鶴が飾ってある。そうだ千羽鶴なら…
その日から私は鶴を折った。毎日欠かさず、手がいたくても、彼のためだけに…
完成したころに冬だったそして願ったのだ。彼はここにいてほしいと…
彼は度々、顔を見せに来た。
そして毎日来るようになったのだ。よかった願いかなった。
(何で来なかったんだよ!)
(だってこれ…)
(何だよこれ…)
(ここにいてほしいかったから)
彼は顔を真っ赤にしてこう言った。
(バカ…俺が心配したのに)
私はその言葉を聞いて笑ったのだった。
近くても遠くてもいいから、ここにいてほしいんだ。
距離なんてどうでもいい。彼がいればそれでいいんだ。

           黒菜
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