幕末☆妖狐戦争 ~九尾の能力がはた迷惑な件について~
私は男たちにあっという間に連行されて行き、ろくに反論する間もなく、小さな集落のようなところに連れてこられた。
この辺になってくれば、私もここが二十一世紀じゃないってなんとなく気づいた。
だって草の屋根に土の壁の家だよ?家々の明かりはうっすいオレンジ色だし、どんな山奥でも平成の世にこれはないでしょ。
男たちは集落を横切って行き、とある大きめな建物の中に私を押し込んだ。
そこでは数名の女性が待機していた。
「この者が今宵の生贄だ。用意を至急頼む」
男たちがそう言うと、女たちは無言で頷く。
男たちが出ていくと、私は瞬く間に身ぐるみを剥がされた。
言葉の意味が違う気がするけど、状況的に間違ったことは言っていない。
黙々と作業する女たちによって、私は何やら十二単のような類の大袖の着物を着せられた。そして口元に薄い紗のような物もつけられた。
これだけだととても神秘的に見える。
だが私は騙されないぞ!!
この紗の下ではさるぐつわを噛まされてるし、長くて大きい袖に隠れてるけど、手首はがっちり縛られてるから!!
ちょっと待てマジなんなの!?
私の意見などまるっきり無視して、女たちは着替え終わった私を建物から連れ出す。
外には私を連れてきた男たちが待機していて、他にも村人以下略の人々がわらわらといた。
男の一人が私の腕を掴み、そのままズルズルと引きずっていく。ちょっと痛いから!一人で歩けるから手ェ離して!!
村人と思われる人たちがあけた道を引きずられながら歩いて、私は古びた社の前まで連れてこられた。
「あなたのなすべきことは簡単です。こちらにある九尾の狐様の社で一晩明かせばいいだけです」
私をここまで連れてきたというか引きずってきた男が、うやうやしくお辞儀をしながら言った。
今更そんな丁寧な物腰になってもね………。
そして九尾の狐?なにその和風ファンタジーは。
「成功や失敗については何も考えなくて良いです。失敗してもあなたのお命が狐様にいただかれるだけですから、ご安心ください」
「……………」
いや、何が"ご安心ください"だ!!それ全然良くないじゃん!?私まだ18なんだけど!こんな早くに死のは勘弁なんだが!?
しかし口を塞がれている私に何か言えるはずもなく。
バターン。
問答無用で押し込まれました。ええ、社の中にです。ご丁寧に外から閂もかけられました。
ってちょっと待てい!!
え、やばくない?これやばいよね絶対?だって生贄だよ?なにされるかわかったもんじゃないよ?
どーしようー!!
とりあえず手の縄を解きたい。どっか尖ってるとこない?縄を切りたい。
と思っていたら社の柱から飛び出ている太い棘を見つけた。ちょっとやそっとでは折れなさそう………。
これだ!!!
この辺になってくれば、私もここが二十一世紀じゃないってなんとなく気づいた。
だって草の屋根に土の壁の家だよ?家々の明かりはうっすいオレンジ色だし、どんな山奥でも平成の世にこれはないでしょ。
男たちは集落を横切って行き、とある大きめな建物の中に私を押し込んだ。
そこでは数名の女性が待機していた。
「この者が今宵の生贄だ。用意を至急頼む」
男たちがそう言うと、女たちは無言で頷く。
男たちが出ていくと、私は瞬く間に身ぐるみを剥がされた。
言葉の意味が違う気がするけど、状況的に間違ったことは言っていない。
黙々と作業する女たちによって、私は何やら十二単のような類の大袖の着物を着せられた。そして口元に薄い紗のような物もつけられた。
これだけだととても神秘的に見える。
だが私は騙されないぞ!!
この紗の下ではさるぐつわを噛まされてるし、長くて大きい袖に隠れてるけど、手首はがっちり縛られてるから!!
ちょっと待てマジなんなの!?
私の意見などまるっきり無視して、女たちは着替え終わった私を建物から連れ出す。
外には私を連れてきた男たちが待機していて、他にも村人以下略の人々がわらわらといた。
男の一人が私の腕を掴み、そのままズルズルと引きずっていく。ちょっと痛いから!一人で歩けるから手ェ離して!!
村人と思われる人たちがあけた道を引きずられながら歩いて、私は古びた社の前まで連れてこられた。
「あなたのなすべきことは簡単です。こちらにある九尾の狐様の社で一晩明かせばいいだけです」
私をここまで連れてきたというか引きずってきた男が、うやうやしくお辞儀をしながら言った。
今更そんな丁寧な物腰になってもね………。
そして九尾の狐?なにその和風ファンタジーは。
「成功や失敗については何も考えなくて良いです。失敗してもあなたのお命が狐様にいただかれるだけですから、ご安心ください」
「……………」
いや、何が"ご安心ください"だ!!それ全然良くないじゃん!?私まだ18なんだけど!こんな早くに死のは勘弁なんだが!?
しかし口を塞がれている私に何か言えるはずもなく。
バターン。
問答無用で押し込まれました。ええ、社の中にです。ご丁寧に外から閂もかけられました。
ってちょっと待てい!!
え、やばくない?これやばいよね絶対?だって生贄だよ?なにされるかわかったもんじゃないよ?
どーしようー!!
とりあえず手の縄を解きたい。どっか尖ってるとこない?縄を切りたい。
と思っていたら社の柱から飛び出ている太い棘を見つけた。ちょっとやそっとでは折れなさそう………。
これだ!!!