君に、会いたい

Wedding of a close friend

兄に電話をした。
「もしもしー?今、大丈夫ー?」
「おぉ、大丈夫だよ。どうした?」

兄は優しい。いつでも私を気にかけてくれる。女の子だし、歳も離れてるからだろうけど。



「広瀬 稜さん、来てるよ!お店に。仕事の帰り、寄ってね!」
「そうなんだ、分かったよ。あと1時間くらいで戻るから、伝えといて」

「了解!お仕事頑張ってね、帰りも気をつけて」
「おぉ、ありがとな」


電話を切った後、母がリビングに入って来た。
「桜〜ご飯だよ〜」
「あ!ごめん!ありがとう。お兄ちゃん電話したよ、あと1時間くらいって」

分かった!と言って、母はリビングを出て行った。


楽しそうに話してる声が聞こえた。



ご飯を済ませ、お風呂に入ってリビングでテレビを観ていた。
1時間過ぎた頃、兄の声がして、帰ってきたことに気付いた。
思ったより早くて良かった、と心の中で思った。

みんなのやりとりがなんとなく聞こえてくるけれど、別に会話に入ろうとは思わず。
ぼーっと、テレビを眺めていた。

< 10 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop