君に、会いたい
「お二人の初めての共同作業、ケーキ入刀に参ります」

「ほら、ケーキ入刀だよ!前行こっ!!」
アナウンスに助けられ、前へ行こうとした。その時、




「桜ちゃん」




誰かが、私を呼び止めた。

振り返ると、稜さんが立っていた。私の方へ近寄って、手を握った。


「え?」
急に手を握られ、とてもビックリした。


「携帯、忘れてたよ。ケーキ入刀、間に合ってよかった。」


私の手のひらに携帯を置き、そのままもう片方の手を携帯の上に置き、優しく私の手を包んだ。

「楽しんでね、結婚式」
そう言って、ふんわりと優しく笑った。


「あ、ありがとうございます」


じゃあ、また後でね、と言い残し
颯爽と隣のレストランの建物に入って行った。


何だか、ドキドキが止まらない。


「ねぇ!今の誰よ!!あのイケメンは!!」
渚の問いかけに、我に返った。


「お兄ちゃんの友達だよ。」


「類は友を呼ぶ。ホントだね。」
凛の言葉に、渚も共感した。
「イケメンに囲まれて、桜は幸せだよ。十分!」

肩を思いっきり叩かれ、痛いよー!と言いながら、3人でケーキ入刀を撮影する為に、前へと向かった。

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