君に、会いたい
「桜の携帯届けてた人、誰?」

「え?携帯?」

突然の話にビックリした。携帯…あ、稜さんのことか

「お兄ちゃんのお友達。車に忘れてたから、持ってきてくれた」

「友達なの?」

「うん、友達…え?知ってる人?アメリカにずっと行ってたみたいだよ?」

「いや、全然…知らないんだね、その人のこと」

「だって、昨日会ったばっかりだし」

「そうなの?!」
そう言って、万智が笑った。


「また連絡していい?飯でも食べに行こうよ」
「うん。家にも遊びに来て!」
「いや、元カノの家はちょっと…」
「…だよね、気まずいよね」


何も緊張することがなかった。いつも通り、今まで通りに話せたことが、とても自信になった。

今まで、万智のことや恋愛に対して臆病になりすぎていたのかも知れない。
少しの勇気で、大きなものを得た気がした。


私たちの3年間を埋めるように、たくさん話をした。


また新しく、友達として始めよう。


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