君に、会いたい
ドアの開いた音がした。


「いらっしゃいませ」
満面の笑顔でお客様を迎えた桜。
スーツ姿の爽やかな男性が入ってきた。




「久しぶり。変わらないね、桜ちゃん」








突然の言葉に、呆気にとられた顔をした桜。


「え?」


どこかで会ったことありますか?と聞こうとした時、カウンター越しに母が言った。



「えー?!稜ちゃん?!」

「怜ちゃん!久しぶり!元気?」



お母さんのこと、怜ちゃんって呼ぶってことは‥‥お兄ちゃんの友達か!





「おー!稜ちゃん!おかえり!」
「親父さん、ただいま!」





お兄ちゃんの友達、うちの両親とも仲良かったからなー。

でも、誰かな?
私、知らないや。


「桜、コーヒー持って行って」
「あ、はい!」




母の言葉に、考え事から我に返った。



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