君に、会いたい
「アメリカだっけ?行ってたのは。」
父がそう尋ねると、
「うん。」
と言って、コーヒーカップにまた口をつけた。




アメリカ‥‥か
色々考えるのはやめよう、止まんなくなる。




「桜、コーヒーお願いします、あちらのご夫婦に」
父の一言に、頭のスイッチがすぐ入れ替わった。

私、仕事中!!



ふと、父と目があった。強面だけど、ふんわりと優しい表情をした。
私は、少し苦笑いをした。
天然の母とは違って、父にはお見通しだった。
アメリカという言葉に、昔を思い出しそうになったのを。




3年前の私とは違うんだ。
強くなれてる。









気がする。















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