君に、会いたい
「桜、時間だよ」
母が時計を指差しながら、私に声をかけた。
時計は18時。


職場では丁寧に。雇われの身。
「お先に、失礼します。」
そう言いながら、礼をした。
「お疲れ様でございます。」
と、母も真剣な眼差しで私を見つめ、礼をした。



パッと顔を上げた母が、
「ご飯、どうする〜?」
と、にこやか家族モードに戻った。




「あ、奥でたべるよ!あとで取りに来る」
お店の奥は2階建ての家になっていて、みんなで住んでいる。お兄ちゃんは家からほど近いマンション住まい。





あ、そういえばお友達さん…
お父さんと話し込んでいるところに、私が話しかけた。

「あの、私、お兄ちゃんにお店で待ってるよって連絡しておきます!お名前、聞いてもいいですか?」


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