クリスマスのお話



怒られたことにしょぼんとしながら瀬名ちゃんと社食に向かう。瀬名ちゃんは呆れたようにわたしが悪いと追い討ちをかけてくるのでさらにしょぼん。


うぅ…わたしだってちゃんと反省はしてるもん。でもこればっかりは仕方ないと思うの。だって嬉しかったんだもんっ。


わたしは先に席に着いて瀬名ちゃんがごはんを持って来たのと同時にいただきますと一緒に手を合わせる。


再び上がったテンションのままお弁当を開くと綺麗に並べられたおかずにふおおぉ!!と内心で悶えてしまった。


黄色のほんのりと甘い匂いのする卵焼ききゅうり、人参、ハムの入った白い鮮やかなポテトサラダ、赤いプチトマト。冷めてもおいしい定番の唐揚げ。


大葉とチーズ、そして梅干しの刻んだものが入っている春巻き。一口サイズのカラフルな丸いおにぎり。デザートにはうさぎさんに切ったりんご。


あぁ、全てがわたしを誘惑してくる……!!!なんておいしそうなんだろっ……


向かいに座っている瀬名ちゃんも「おぉ」と感心している。



「桜ってたまに手の込んだお弁当持ってくるわよね。いつの間にできるようになったの?」



キョトン、とわたしは瀬名ちゃんを見て首を傾げる。



「瀬名ちゃん知ってるでしょ?わたしお料理できないよ?」





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