クリスマスのお話



できないというよりも、わたしは料理のセンスが壊滅的に悪いらしい。


全てにおいて不器用でできることと言えば自分に与えられている仕事のみ。(ちなみにわたしはジュエリーデザイナーをしている)


お料理に限った話ではなく全てにおいてわたしはダメダメ人間。ちゃんと自覚もある。


一人で生きるに当たってかろうじてお洗濯とメイクはできるようになったけどお掃除とか料理とかは未だにできない。


しようと思ってもいつの間にか散らかっているのだから不思議だ。両親も心配して顔を見せたりルンバ買ってきてくれたぐらいだし。



「じゃあ、そのお弁当って、」


「豹くんの手作りです!」



えっへんと胸を張るわたしに瀬名ちゃんはあんぐりと口を開けた。そんな瀬名ちゃんにニコニコしながらわたしは昨日のことを話す。


と言っても一緒に帰ろうと誘ったらついでにごはんとでもいう流れになって外食は体に悪いからと豹くんの家に行ってごはん食べてそのまま泊まって朝ごはんとお弁当作ってもらっただけだけど。



「でも、服…」


「豹くんの家に何着か置いてあるから」



仕事が忙しくて豹くんから接近禁止令が出てたので最近は自分の家に泣く泣く帰ってたけど、それも解禁になって豹くんからのお許しも出たためさっそく豹くんの家に泊まっていた。


むしろ禁止令が出ていない限りは豹くんの家に泊まることの方が多いかも?とよくよく思い返すとそう思えてくる。





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